福島大学「学長だより」第57号

会員の皆さま、きびたき会HPで母校の近況を定期的にお知らせいたします。

学長メールマガジン
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★学長だより★ 第57号 2019.9.30
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《目次》
[1]令和2年度概算要求額の伝達等について
[2] 福島大学震災・復興展示コーナー「東日本大震災 福島大学の記憶」開設(9月11日)
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[1]令和2年度概算要求額の伝達等について

 さる8月30日に文部科学省から、令和2年度概算要求額の伝達がありました。主な内容は
以下の通りですが、いずれも文部科学省から財務省への要求額なので、予算要求が認めら
れるかどうかは、令和2年度予算が承認されるまで未確定です。

①地域の教育研究拠点として地方創生への貢献や、Society5.0に向けた人材育成や世界
 最高水準の教育研究を実現するための体制の構築、真に世界に伍して行ける大学実現
 に向けた日常的な英語による教育研究の早期実現をめざす体制の整備など、各大学の
 戦略的な教育研究組織を支援するとして、国立大学全体に関わる経費(教員人件費相当
 額/新規分)として17億円が計上された。本学については、食農学類が構想している
 「発酵醸造研究所」(仮称)設置準備関連で人件費(新規分)が5,294万円(継続分
 とあわせると1億1647万円)計上された。

②地域の中核としての連携強化を通じた大学の機能強化や、情報関連ネットワークの整備
 (オンライン教育の整備に必要となるICT環境の整備・更新等)、マイナンバーカード
 の活用等によるデジタル・キャンパスの推進、障がい学生の支援など、教育研究の基盤
 整備を支援するとして、国立大学全体に係る経費として290億円が計上された。本学に
 ついては、食農学類関連で3件の設備整備に係わる経費3億4,892万円が計上された。

③国内外のネットワーク構築や新分野の創成等、共同利用・共同研究拠点の強化に資する
 プロジェクト分として、環境放射能研究所の取組 に1,000万円が計上された。

④各大学の機能強化の方向性に応じた取り組みをきめ細かく支援するための「3つの重点
 支援の枠組み」の評価に基づく再配分及び「成果を中心とする実績状況に基づく配分」
 については、予算編成において決定するとして、具体的な額は示されなかった。

⑤「国立大学の授業料減免の実施」に係る経費については、予算編成過程において、
 高等教育の就学支援制度(内閣府計上分)と一体的に検討するとして、具体的な額は
 示されなかった。

⑥国立大学法人等施設整備概算要求事業については、防災機能強化など安全性の確保、
 地方創生やSociety5.0の実現に向けた機能強化等への対応など、計画的・重点的な施設
 整備について要求されたものの、具体的な要求事業は公表されなかった。

繰り返しになりますが、文部科学省から財務省への要求額なので、最終的な本学への配分
額については、国会での予算承認を待つことになります。


[2] 福島大学震災・復興展示コーナー「東日本大震災 福島大学の記憶」開設(9月11日)

 前号で紹介しました震災・復興展示コーナーの開所式を東日本大震災からの8年半に
あたる9月11日に附属図書館1階で開催いたしました。

 当日、オープニングセレモニーには、多くの報道機関から取材があり、テレビ局4社、
新聞社7社がその日の夜のテレビ、翌日の朝刊等で大きく報道していただきました。そして、
翌日以降、その報道を見て展示コーナー・テーマ「避難所」を見学に来られた学外の方も
おられ、9月11日から9月26日までの展示コーナー来場者は延べ1,082名になっています。

 女優の紺野美沙子さんと作曲家・ピアニストの中村由利子さんの朗読とコンサートも
約200名の来場者で満席となり、最後に会場全員で詩人・谷川俊太郎「生きる」を群読
しました。午後6時からの「希望の光」点灯式も、夕暮れの中、色鮮やかな光のイルミネー
ションとなりました。

 震災・復興展示コーナーは、今後、3カ月から6カ月のスパンでテーマ別展示を企画して
おり、1年半から2年でテーマが一巡するように進めていく予定です。

 皆様も、是非一度、震災・復興展示コーナーにお立ち寄りいただければ幸いです。